ハイエースに装着されているステアリングスイッチは左側のみ。
最近になって、空いている右側がヤケに寂しいなぁと思い始めたのも束の間、使えそうなステアリングスイッチを手にいれてしまった。。。
それがコチラ

聞くところによると"ランクル200"のステアリングスイッチらしい。。。
純正品番は 〈84250-60310〉です。


左側は、ボタン配置・機能共々純正と同じです。
右側のスイッチは受話キー終話キーと、その下にコミュニケーションキー、あとDISPキーという表示のボタンが追加されました!!!この機能が必要かどうかは置いといて、スイッチが増えることは、なんだか嬉しい気持ちにもなります!!!

※上記はLED載せ替え済みです。

ただ...届いたステアリングスイッチを、そのままポン付けという訳にもいかなかったので、今回はその全貌を記録に残したいと思います。

コネクタの違い

元々ハイエースに付いていたコネクタは黒色の12pinコネクタ
これに対し、届いたステアリングスイッチのコネクタは白色の10pinコネクタ
察しの通りハマるはずがない。ともなればコネクタを用意し交換する必要があります。
対象の黒色12pinコネクタ、品番は:90980-12559 です。

配線方法

コネクタのどこのピンにどの信号が入るのか
その答えを知るには、まずはその信号線の内容を知る必要があります。
純正ステアリングスイッチから出ている配線は
黒、灰、茶、赤の4本。

それぞれの信号名は


ピン番号
配線色
信号名


11

GND(-)




SW1




SW2




イルミネーション(+)



※青線はホーンのケーブルです。

で、このうち ステアリングスイッチ の信号を送っているのが
灰:SW2
茶:SW1
の2本であります。

SW1、SW2から送られる各ボタンの判別は、車体側での抵抗値の変化 で読み取っており、それぞれのボタンに、予め抵抗値を設定しておくことで、少ない配線でも信号の判別できるというわけです。

実際のステアリングスイッチの内部回路はこんな感じです。


そして、それぞれのボタンに対する抵抗値(設定範囲)は下表の通りです。


ピン番号
配線カラー
ボタン操作
抵抗値(GND:11ピン基準)



茶色
スイッチ押下せず
95 to 105kΩ


VOL+スイッチ押下
950 to 1050Ω


VOL-スイッチ押下
2955 to 3265Ω


SEEK+スイッチ押下
2.5Ω以下


SEEK-スイッチ押下
313 to 345Ω


MODEスイッチ押下
95 to 105kΩ



灰色
スイッチ押下せず
95 to 105kΩ


VOL+スイッチ押下


VOL-スイッチ押下


SEEK+スイッチ押下


SEEK-スイッチ押下


MODEスイッチ押下
2.5Ω以下



上記を踏まえて、変更後のステアリングスイッチの配線を考えました。

交換後の配線

変更後のステアリングスイッチから出ている配線は
黒、灰、茶、赤、そこに 黄色 が加わり計5本となります。
とりあえず、他の配線が変更前と同じ意味を持っているかの確認と、新設された右側スイッチの検出方法(おそらくSW2の抵抗値が変化する)を確認しました。

結果は以下の通り


ピン番号
配線色
ボタン操作
抵抗値(GND:11ピン基準)




スイッチ押下せず
95~105kΩ


VOL+ スイッチ押下
950~1050Ω


VOL- スイッチ押下
2955~3265Ω


SEEK+ スイッチ押下
2.5Ω以下


SEEK- スイッチ押下
313~345Ω




スイッチ押下せず
95~105kΩ


発話スイッチ押下
950~1050Ω


終話スイッチ押下
313~345Ω


MODEスイッチ
2.5Ω以下


コミュニケーション
スイッチ押下

2955~3265Ω



内部回路はこんなところでしょう。


予想通り、右側のボタン検出に対しては SW2の抵抗値 が変化していました。
...で、問題の黄色線はというと、DISPボタンの単独スイッチライン であることが判明。押している間のみのGNDと通電するスタイルです。


ただ問題は、この黄色線、コネクタのどこに接続すればいいのか?

◆増設する黄色線の最適な場所は?

ステアリングスイッチの信号は、その後スパイラルケーブルというケーブルを通ります。ケーブルと言っても形状はドーナツ型で、ハンドルを回した時にケーブルを絡まなくする機能をもっているものです。
このケーブル出口のコネクタの空き状況を確認することで、追加する黄色線の適切な配線箇所は分かります。

テスターで通電チェックをした結果、ステアリングスイッチコネクタとスパイラルケーブルコネクタの接続配線が判明しました。
以下、相対表です!!!



車体側
ステアリングスイッチ側


J70-1
L1-2


J70-2
L1-1


J71-1
A-3


J71-2
A-4


Z5-7


J71-3
Z5-8


J71-4
Z5-9


J71-5
Z5-10


J71-6
Z5-11


J71-7
Z5-12


J71-8
A-1


J71-9
Z5-1


A-2


J71-10
Z5-2


J71-11
Z5-3


J71-12
Z5-4


J71-13
Z5-5


J71-14
Z5-6


最終的なコネクタの接続図は以下の通りです。

※上図の「6ピン:GND」と「7ピン:クルコン信号」は前回クルコン追加した時に増設したケーブルであり、標準ではついておりません。

最終的に MODEスイッチ単独の黄色線は、ステアリングスイッチの 5ピン
対するスパイラルケーブル通過後のコネクタは、12ピンに配線を追加することで解決しました。

上図、少し分かりづらいのは、スパイラルケーブルを通過することで、同じ信号でも配線の色が変わる ということ。例えば、ステアリング側は黒色だったGND線もスパイラルケーブル通過後は青色となります。これは実際の車体でも同じ現象が起っているので、くれぐれも間違えない様に、慎重な作業が必要です!!!

マジで分かりづらい....



ナビとの連携

果たして、ステアリングスイッチを変更したところで、ナビが反応するかどうかは、最後まで不安要素の一つでもありました。
ちなみに僕の使っているナビはALPINEのフローティングビッグXです。

結論を言います。
バッチリ!!!

発話&終話ボタンは、望み通り着信時の発話&終話ボタンとして機能しており、
コミュニケーションボタンは、ナビの機能に内蔵されているコミュニケーションモードのボタンとして機能します。
これは、前席の音声を後部スピーカーから出すモードで、車内の会話がスムーズにできる機能。偶然にも、ステアリングスイッチに刻まれたマークとズバリ一致するので、なんともラッキーであります!
さらに、これもビッグXナビの機能の一部ではありますが、MODEキー長押しでカスタムモードに突入します。
これは、今回追加した右側スイッチに、独自にスイッチを割り当てられる機能で、僕はAV画面⇔ナビの切替や、画面OFFといった機能を割り当てています。

なんとも便利!!!!!



完成



ご覧の通り、イイ感じに交換が完了しました。
残念なところが2点ほど.......

1つ目は、ステアリングスイッチ周辺の隙間です。
まぁ........ハイエース用じゃないから文句も言えませんが、この隙間、非常に惜しい!!!


2つ目は、夜間イルミ点灯時の光漏れです。
今回のスイッチは、予め白色LEDに載替えたのですが、スイッチの隙間から微妙に光が漏れてしまってます。原因は恐らく、取付けたLEDチップの光度の違い。これに関しては、また時間がある時に抵抗値の調整を行い、適切な明るさに調整が必要かと思います。

以上が気になる点。

ただ、ナビとの連携を考えても、間違いなく便利になりました。
特にフローティングビッグX搭載車は、そのナビ元々のポテンシャルを十二分に活かせる、最高のカスタムになること間違いありません!!!
心の底からおススメです☆